映画『アイ・ライク・ムービーズ』ネタバレなし感想|ひねくれた映画オタクの少年に自分を重ねる青春コメディ

Comedy
にこまゆげ
にこまゆげ

映画オタクでひねくれ者の主人公に、自分を重ねて

どぎまぎしながら楽しめる映画でした。

自分を重ねずにはいられなかったローレンス

映画が大好きで、こだわりも人一倍強いローレンス。けれど、その思いが空回りして、歩み寄ってくれた人との間にも壁をつくってしまいます。その姿は自分が10代だった頃とも重なり、言葉ではうまく表現できないもどかしさを感じました。

映画が大好きなのは素晴らしいこと。だけど、なんとなく舐められたくないという気持ちが裏目に出ると、つい映画の知識をひけらかすような態度をとってしまい周囲から浮くはめになります。

本当はだれかと分かり合いたい。でも気持ちをうまく伝えられないせいで、人を遠ざけてしまう。そんなローレンスの素直になれない言動にも、「わかるよ…」と共感しながらどぎまぎ。不器用な彼のゆくえが心配で、気になって仕方ないんです。

そんなこんなで、最初は親のような気持ちで観ていましたが、ラストまで見届けたときには少し心がほどけたような感覚に。こちらまで一喜一憂しながら最後まで見守りたくなる、お騒がせながらも愛おしい主人公でした。

トラブルメーカーの烙印を押されかねないローレンスですが、周りの人たちは彼に対して「ひとりの大切な人間」としてきちんと向き合い続けます。

母親のテリは、一筋縄ではいかない息子への接し方に苦悩しながらも、彼のことを一番近くで見守り支えてきた存在です。あるシーンでは、過去のつらい出来事をともに乗り越えてきた母親の強さがひしひしと伝わってきます。ローレンスを心から愛し寄り添い続けてきた母親の優しさに、目からあふれる涙が止まりませんでした。

ビデオショップの店長アラナや友人のマットも、無理にローレンスを変えようとはしません。衝突やすれ違いがあっても決して彼を見捨てず、それぞれの距離感で向き合い続ける姿には胸が熱くなります。

自分の存在を認め、見守ってくれる人たちがいる。そう思えるだけで、人は少しずつ前を向いていけるのかもしれません。ローレンスにとってビデオショップや周りの人たちは、映画だけではない「居場所」をあたえてくれた存在だったように感じます。

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